負荷試験の現場から その98

現場:関東某製造会社
実施概要:非常用発電機の消防法に基づく、30%以上の負荷試験を実施
【現場担当者からのコメント】
例年でしたら春の訪れを肌で感じる季節ですが、今年はまだ空気が冷たく、上着が手放せない一日でした。
この現場には、5年前から携わっています。
そして、今回試験を行った発電機は、なんと製造から54年が経過しています。
これまでは「年季の入ったエンジンだな」とただ表面的にしか見ていませんでした。
しかし今回、ふとした瞬間にその姿をじっくり眺めていると、エンジンの表面には丁寧な清掃の跡やこまめに点検されてきた痕跡がありました。
その時、胸の奥から不思議と温かい感情がこみ上げてきました。
自分がまだ生まれてもいなかった54年前、当時の技術者たちはどんな想いでこの発電機を設計・製造し、初代の担当者たちはどんな気持ちで運用を始めたのだろうか…。
そんな想いが心をよぎり、今日まで大切に受け継がれてきたことへの敬意と感謝が湧いてきました。
「ものを大事にする」ということ。
かつては当たり前だったその習慣が、いつの間にか「新しいものにこそ価値がある」という考え方に変わってきている時代。
それでもやはり、受け継がれてきた“思い”や“手間”には、決して新しいだけでは生まれない価値があると感じました。
今回の試験を通じて、改めて思ったこと。
それは、「すべてのもの、すべての出来事に、感謝の気持ちを忘れずに向き合っていきたい」ということです。
日々の小さなことにも、感謝の心を忘れずに過ごしていこうと思います。
